2008年9月6日土曜日

「20世紀の幽霊たち」発売!

ジョー・ヒル著「20世紀の幽霊たち」が発売されています。

20世紀の幽霊たち〔小学館文庫〕

著/ジョー・ヒル 訳/白石 朗、安野 玲、玉木 亨、大森 望



ISBNコード9784094081343
判型/頁文庫/704頁
定価980円(税込)
発売日2008/09/05

幻想文学、ホラー小説の枠を超える傑作!

奇妙な噂がささやかれる映画館で隣に座ったのは、体をのけぞらせ、ぎょろりと目を剥き、血まみれになった“あの女”だった。4年前『オズの魔法使い』上映中に19歳の少女を襲った出来事とは!?(『二十世紀の幽霊』)。そのほか、ある朝突然昆虫に変身する『蝗(いなご)の歌をきくがよい』、ダンボールでつくられた精密な要塞に迷い込む怪異を描く『自発的入院』など……。デビュー作ながら驚異の才能を見せつけて評論家の激賞を浴び、ブラム・ストーカー賞、英国幻想文学大賞、国際ホラー作家協会賞の3冠を受賞した怪奇幻想短篇小説集。

まだ東雅夫氏による解説「ジョー・ヒルという名の希望(ホープ)」を眺めたぐらいですが。

画像と広告の下では解説の一部を引用しているので、まだお読みでない方はご注意を。

2008年9月6日、ジョー・ヒル著「20世紀の幽霊たち」表紙




「20世紀の幽霊たち」の、東雅夫氏による解説「ジョー・ヒルという名の希望(ホープ)」より一部引用
 さて、ヒルを語るうえで欠かすことのできない同業者が、もうひとりいる。
 彼の実父にして、現代ホラーの押しも押されぬ第一人者―――スティーヴン・キングである。

「20世紀の幽霊たち」では、前著「ハートシェイプト・ボックス」(2007年12月)の解説であいまいにしてあった、ジョー・ヒルがキングの息子だという事実が明記されている。

ちなみに「ハートシェイプト・ボックス」の解説「熱くロックするゴースト・ストーリー」ではこう。
かくのごとく鮮烈なデビューを飾ったジョー・ヒルだが、ネット上の情報によれば、その父は、かのホラーの巨匠スティーヴン・キングであるらしい。

ネット上の情報、例えばこんなのですね。

PatioTalk:作家ジョー・ヒルがスティーブン・キングの息子であることを公表2007年4月


では、私がニューヨーク発行の日本語フリー・ペーパー"tocotoco"2007年3月30日号(vol.141)の表紙をご紹介します。

:::tocotoco::: : March, 30. 2007 vol.141 より


記事だけ抜き出したのがこちら。
:::tocotoco::: : vol.141/表紙「Stephen King」より引用
スティーブン・キングの作品、初のコミック化
■ 人気ベストセラー作家、スティーブン・キング(Stephen Edwin King=59)の小説「ダーク・タワー(THE DARK TOWER)」シリーズが、このほどコミック化され、この4月から店頭に並ぶようだ。これまでにも、多くのキング作品が映画化、TVドラマ化されているがコミック化は初めての試み。出版元は「スパイダーマン」や「デアデビル」など、数多くの人気コミックを手掛けるマーベル社で、同コミックの劇画家にはアイスナー・アワード(Eisner-award)の受賞者であるアーティスト、ジェー・リー(Jae Lee)が担当する。
■ 今回のコミック化に関してキングは「ボクは生涯、マーベル漫画の大ファンさ!ボクの小説が全く違う技法で創り出されることに、とにかくスゴク興奮している。劇画家のジェー・リーの仕事も大好きだね。今後彼とはダイナマイト・パートナーシップを組んでいける相手だと率直に思うよ」と話している。
■1974 年、長編「キャリー」でデビューしたキングは、メイン州のポートランド生まれ。スコットランドとアイルランド人の祖先を持つ、父ドナルドと、母ネリー・ルース・ピルズベリーの次男として誕生した。幼少期に両親は離婚。兄のデイヴィッドとキングは母に引き取られて育った。彼は10歳の頃から執筆し、SF専門誌に投稿を始めた。メイン大学時代に投稿した小説「鏡の床」が「スタートリング・ミステリー・ストーリーズ」に掲載され、それを機に大学内の新聞「ザ・メイン・キャンパス」にコラムを持つようになった。74 年のデビュー作「キャリー」は映画化され大ヒットを放った。キャリー以降、スタンリー・キューブリック監督が映画化した77年の「シャイニング」など、次々、彼のホラー作品は映画化されたが、興行成績があまり奮わず、ジャンルをホラーから変更した「スタンド・バイ・ミー」がようやく当った。それから約10 年、本来、彼が目指していたホラー作品の「ミザリー」(87年)で久しぶりに高い評価を得たものの、その後、ホラーでは当たり外れがあるとされ、どちらかというと人間味溢れる「ショーシャンクの空に」や「グリーンマイル」などの作品に期待を持たれるようになった。今回コミック化となる「ダーク・タワー」シリーズは完成までに22年かかった作品で、7部作の完結編が出版されたのは2004年。33の言語に翻訳されて35以上の国や地域で発行されている。

今、人気の若手ホラー作家の素性が明らかに!
■ ニューヨーク・タイムズの書評で「読み手を虜にする機知に富んだ物語」と取り上げられ人気上昇中のホラー小説「ハート・シェープド・ボックス(Heart Shaped Box)」。著者はこれが長編デビュー作となるジョー・ヒル(Joe Hill=34)。彼の目や太い眉は、若し日のキングにそっくりだ。彼はこのデビュー作を機に初めて自らの素性を明かした。「自分の文章で父親の存在を思い起こされたくなかったから、姓を変えた」と話している。
■ ベストセラー作家の親の姓を名乗る2世たちは少なくない。キングの妻で作家でもある彼の母、タビサ・キングは息子のよき理解者だったようだ。彼の長編がどこにも売れず頭を抱えていた時期「次の作品を書けということよ」と励まし、陰で支えてくれたという。また父親のキングには各出版社に送るカバーレターのアドバイスを求めた。キングは「大物編集者殿、本物の才能を見たければこれを読め!」と紙に書き、続いて「こうは書かないようにネ」と静かに応援してくれていたと話している。「いずれバレるとは思っていたが特別扱いが嫌いなので、できるだけ長く黙っていようと思った」と語る彼が、文学的に最も影響を受けた人物は「キング」と言う。(強調は引用時)

これは日本語フリー・ペーパーですが、海外の新聞・雑誌なんかでは、「ジョー・ヒルはスティーヴン・キングの息子だ」というのは、活字になってただろうと思うんですが。

それはともかく、文学的に最も影響を受けた人物は「キング」とは泣ける。


長く、まとまりがなくなったので、この辺で。いまから「20世紀の幽霊たち」を読みます。楽しみ。

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