2010年12月24日金曜日

「ダーク・タワー」映像化、TVドラマ第2部でローランドの若い頃を?

「ダーク・タワー」の映像化が初めて公式に発表されたときの資料(9月8日付け)によると、ドラマ第2部でローランドの青年期を取り上げるようです。

プレスリリース(PDF、英語)

Howard, Grazer and Goldsman are planning for the first film in the trilogy to be
immediately followed by a television series that will bridge the second film. After the
second film, the television series will pick up allowing viewers to explore the adventures of the protagonist as a young man as a bridge to the third film and beyond.

「ダーク・タワー」映像化は 2013年5月17日に映画第1部が公開予定で、さらに TVドラマ第1部→映画第2部→ドラマ第2部→映画第3部とつづくわけですが、プレスリリースに「映画第2部から第3部へ橋渡しする TVドラマシリーズで、若き主人公の冒険譚を」という記述があります。ローランドがアラン、カスバートとメジス男爵領で行った冒険やジェリコの丘の戦いなどをを指していると思われます。


また、プレスリリース冒頭には、
「ユニヴァーサル・ピクチャーズとNBCユニヴァーサルは、スティーヴン・キング著『ダーク・タワー』の7冊の小説、短編、コミックブックを原作とする映画化およびTVドラマ化の権利を得ました」
と書いてあります。小説の全7部だけを原作として映像化するわけではないんですね。


ローランドの若い頃を描くグラフィックノベル版「ダーク・タワー」は、これまでに5冊のハードカバー版が出版されています。メインストーリーは小説でも語られたメジスやジェリコの丘ですが、たとえば師匠コートの姪アイリーンなど、ディテールが小説以上に書き込まれていますから、TV第2部はグラフィックノベル版の世界もかなり参考にされそうな気もします。

2011年1月26日には6冊目となる"Dark Tower: The Gunslinger the Journey Begins"が発売予定です。


短編"The Crate"収録アンソロジー集"Shivers VI"発売

12月15日、Cemetery Dance Publications からキングの短編"The Crate"を収録するアンソロジー集"Shivers VI"が出版されました。"The Crate"はクリープショー第4話「木箱」の原作でもあります。キングの短編集に未収録の作品で、邦訳「箱」(深町眞理子・訳)は、S-Fマガジン355号(1987年7月臨時増刊号ホラー・マガジン)の20ページから52ページまで収録されています。

まあ、未読の方でも洋書のこのアンソロジーを買うより、S-Fマガジンの古本を探したほうが良いと思いますが。

SFマガジン 1987年7月臨時増刊号(並・わずかにヤケシミ) - 特殊古本屋 軽石庵
SFマガジン 1987年7月臨時増刊号(並) - 特殊古本屋 軽石庵
雑誌 - ミステリ専門ジグソーハウス

それと、「『箱』は S-Fマガジン以外では読めないよね?」と念のため調べていたときに見つけた次のサイトが勉強になりました。スティーヴン・キングのインタビューや、キングまたはキング作品の評論が掲載された雑誌をリストにしてあります。

<雑誌におけるスティーヴン・キング関連文献リスト〔不完全版〕>

2010年12月19日日曜日

短編"A Good Marriage"、キング脚本で映画化


12月12日におこなわれた"Full Dark, No Stars"についてのライヴチャットをこのブログ(英語)が文字起こししてくれています。一部ですけどね。これによると、キングは収録短編"A Good Marriage"の脚本を書き上げたとの事。ビデオは現在、EW.com で公開中で、20日以降 StephenKing.com でも公開されます。キングは「すばらしい映画になるよ!」と言っています。

Stephen King answers questions about his new book and more in EW exclusive video - EW.com

"A Good Marriage"は、公式サイトから一部読める(もちろん英語)。

2010年12月17日金曜日

短編集"Full Dark, No Stars"の豪華装丁版が刷り上がる

短編集"Full Dark, No Stars"の豪華装丁版をセメタリーダンスパブリケーションズ社が発売することは以前お伝えした通り(「"Full Dark, No Stars"の豪華装丁版(サイン版はすでに売り切れ)」)。


これが刷り上ったということで、セメタリーダンスのサイトで実物の写真が掲載されています。
Photos of Full Dark, No Stars by Stephen King - Cemetary Dance Publications

1922 art from Full Dark, No Stars Cemetary Dance Publications edition
"Full Dark, No Stars"収録短編"1922"(おそらく)の挿絵

うち一枚の挿絵(上、おそらく「1922」のもの)は、これが初公開だと思います。すでに公開されている挿絵8枚はこちら


豪華装丁版は3種類あり、うち2種類はサイン版が用意されていますが、これは10月の予約開始後すぐに予約が埋まりました。現在、サイン無し版も完売ですが、ウェイティングリストへの登録であれば可能です。12月21日発送予定です。

下は通常版(サイモン・アンド・シュスター社刊)

2010年12月14日火曜日

"Under the Dome"は来年春頃か、他

スティーヴン・キングの長編"Under the Dome"の翻訳は「来年春頃」に出る予定らしいですよ。

Togetter - 「どうやらあのでかい本の翻訳が出るらしいよ。」 tkr さんのまとめ

順調順調。「春」に3月末も含まれるならなお嬉しい。

それとまとめにあるシンプソンズのキングねたは、シーズン6にもあったりする。



また、ジョー・ヒルの長編"Horns"の日本語版である「ホーンズ」が来年、小学館から出版されるようです。現物は確かめていないのですが「このミステリーがすごい! 2011年版」にそう書いてあるらしい。来年のいつ頃かは不明。

ちなみに「このミス」上位20位までのリスト-国内海外
キングが09年のベスト1に挙げたサラ・ウォーターズの「エアーズ家の没落」(原題:The Little Stranger)が海外7位にランクインしている。



以下、キングは関係ないですが
とてもおもしろいと噂の映画「キック・アス」のオンライン試写会のお知らせ
http://gyao.yahoo.co.jp/lot/movie/kickass/


出版成功物語 - 扶桑社ミステリー通信
スウェーデンの作家、スティーグ・ラーソンの小説をイギリスで発売した出版社のお話。



超低予算ゾンビ映画「コリン」が来年3月日本公開決定。
世界中で死者がよみがえり、生きた人間を襲い始めてロンドンの街はパニックに陥る。ナゾのウイルスに感染し、ゾンビになってしまった青年コリンは、わずかに残る記憶をたよりに、恋人ローラと暮らしたアパートへと向かう。体を引きずりながら思い出の場所を目指すコリンの姿を、せつなく衝撃的に描いた作品だ。
製作費45ポンド! 超低予算の泣けるゾンビ映画、日本公開決定 - eiga.com
「自宅出産」の夫側を書いたらこんな感じになりそう。

2010年12月8日水曜日

アメコミ版「エルーリアの修道女」のプレビュー画像2枚

マーベルから出版されているグラフィックノベル版「ダーク・タワー」は、12月8日に新シリーズ"Little Sisters of Eluria"(「エルーリアの修道女」)第1巻が発売されます。月1回発行で全5巻の予定。第1巻の4ページ分(見開き2ページ×2)が StephenKing.com に掲載されています。

The Dark Tower: Little Sisters of Eluria - Artwork Preview


また"Little Sisters of Eluria"の第3巻までの表紙は次のとおり。

DARK TOWER: THE GUNSLINGER - THE LITTLE SISTERS OF ELURIA #1
DARK TOWER: THE GUNSLINGER - THE LITTLE SISTERS OF ELURIA #1 (OF 5)
Writer: Peter David & Robin Furth
Artist: Luke Ross
Near death from an attack by Slow Mutants, Roland Deschain is taken in by a group of Sisters who specialize in anything but the healing arts. These hideous, corpse-like creatures known as the Little Sisters of Eluria have murder on their twisted minds. And in his current, wounded condition, there's almost nothing the last gunslinger can do to prevent their tender mercies from taking hold. It's the beginning of a new Dark Tower story arc featuring the fine pencils of Luke Ross, whose work on this story will astound you! Don't miss it!


DARK TOWER: THE GUNSLINGER - THE LITTLE SISTERS OF ELURIA #2
DARK TOWER: THE GUNSLINGER - THE LITTLE SISTERS OF ELURIA #2 (OF 5)



DARK TOWER: THE GUNSLINGER - THE LITTLE SISTERS OF ELURIA #3
DARK TOWER: THE GUNSLINGER - THE LITTLE SISTERS OF ELURIA #3 (OF 5)

"Under the Dome"のドラマ化、放送日はまだ未定

スティーヴン・キングの長編"Under the Dome"は09年11月の発売後すぐ、TVドラマ化にスティーブン・スピルバーグが製作総指揮として関わることなどが明らかになりました。それから1年経ちましたが、放送日などはまだ決まっていない様子です。


12月3日、StephenKing.com の掲示板にキングのアシスタントが投稿したところによると、
スティーブン・スピルバーグが映画化権を購入したが、後に計画は変更され、テレビ向けドラマになる予定です。2ヶ月前に聞いた話では依然として"pre-production"のままであり、いつ放送されるか(または本当に放送されるかどうか)は分かりません。

Steven Spielberg bought the film rights and the plan is to turn it into a mini-series but the last I heard (a couple months ago) it was still in pre-production so no idea when (or if) it will finally make it to the screen.


映画制作の進行度は順に、"Development"、"pre-production"、"Production"と表され、
"Development"は「プロデューサーがストーリーを見つけて、脚本家がざっと脚本を起こしたところまで」、"pre-production"は「主要なキャストやスタッフを決め、資金調達のめどをつけて、撮影に向けて細部を詰めていく段階」、"Production"は「実際に撮影している段階」を指すらしく、"Under the Dome"は今(2ヶ月前)"pre-production"だ、ということです。


12月8日現在、配役情報は聞いたことが無いので(情報が出ていないだけですでに決まっているのかもしれないが)、"Under the Dome"は"pre-production"期間の初期にあたるのかもしれません。ドラマは HBO で放送されるとすでに決まっている?という話なので、撮影開始がダラダラと遅れることは無いと思うのですが、まあ、スピルバーグは「タリスマン」も権利を持ったまま何年もほったらかしなのでどうなるでしょうか。


"Under the Dome"の翻訳は順調なら2011年序盤に出版される模様です。

2010年12月5日日曜日

"Full Dark, No Stars" サイン会の様子

現地時間12月2日に"Full Dark, No Stars"のサイン会がニューハンプシャー州ポーツマスの書店 River Run Bookstore で行われました。このサイン会の様子を veryfinebooks のブログが紹介しています(veryfinebooks はサイン本を中心に扱っている書店)。

Stephen King Book Signing Dec. 2nd Portsmouth, NH (Photos)

8枚の画像付きの記事だからキング御大のチャーミングな笑顔が拝めますよ。ほかに参加したこの人のブログ記事をあわせて読んだ限りでは、約400人の参加者にサインして一人一人と会話したと。特にトークショーなどは無く、サプライズ発表は無かった模様。


次のプロモーション活動は、ユーストリームで行なわれるライヴチャットで、日本時間12月9日に行なわれる予定です。

2010年12月2日木曜日

スティーヴン・キングがユーストリームでライヴチャットを行う予定

Full Dark No Stars UStream Event

日本時間12月9日、米大手出版社サイモン・アンド・シュスターのユーストリームチャンネルにスティーヴン・キングが登場し、11月に発売された短編集"Full Dark, No Stars"についてライヴチャットを行う予定です。

http://www.ustream.tv/simonandschuster
生中継は上のリンク先で、日本時間12月9日(木曜日)午前9時から午前10時までの予定で行われます。キングに答えて欲しい質問があれば scribner.books@simonandschuster.com に送ってね、との事。


Sweater Quest の著者 Adrienne Martini がサイモン・アンド・シュスターのライヴチャットに登場したときの録画がこのページで見れるので、キングのライヴチャットがどのようなものになりそうかの参考に。キングのライヴチャットも録画され、あとで見れると良いのですが。


ユーストリーム Ustream はインターネットにつながったパソコンや iPhone のような機種さえあれば、誰でも簡単に生放送を行えるサイトです。個人が雑談していたり、テレビゲームの画面を中継したりしているのを多く見かけますが、特に多くの視聴者が見た配信例には、アメリカでは09年オバマ大統領の就任演説、マイケル・ジャクソンの追悼イベント、日本だとケツダンポトフのソラノさんが iPhone 3GS 発売、または事業仕分けを生中継したときなどがあります。視聴は無料で、YouTube やニコニコ動画などの動画を再生できるパソコンさえあれば誰でも見れます。視聴するだけならユーザー登録も必要ありません。


昨年の長編"Under the Dome"発売後に行われたプロモーション活動でキングは、"Under the Dome"のドラマ化についてや、「ダーク・タワー」新刊および「シャイニング」の続編執筆を考えていることなど、いろいろと話題を提供してくれました。今回のライヴチャットは「"Full Dark, No Stars"について」と案内されていますが、ほかの作品の話題も期待しない理由は無いです。米時間12月2日に"Ful Dark, No Stars"のサイン会がポーツマスで行なわれる予定で、これとあわせて注目です。


過去記事:
スティーヴン・キングは「シャイニング続編 Doctor Sleep」を書く模様