The Stand などキング作品の一部で Amazon Kindle の読み上げ機能が非対応に

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Amazon.com が今年2月に発売した電子書籍リーダー Kindle 2 には、Kindle ストアでダウンロード購入したテキストを読み上げる機能、Text-to-Speech が搭載されました。しかし、スティーヴン･キング作品を含むランダムハウス社の少なくとも40作品で、この読み上げ機能が使用できなくなったようです。ざっと調べた限りでは、読み上げ機能が使えないキング作品は以下の通り。Random House の子会社である、Doubleday や Ballantine Books のものも含みます。

The Stand
'Salem's Lot
The Shining
The Talisman
（The Stand は現在、Kindle 版の購入はできませんが。また、Random House、Doubleday、Ballantine Books のすべての作品で読み上げ機能が使えないわけではありません。）

Kindle2 発表直後に、その読み上げ機能に対して、米国の著作者団体“Authors Guild”が「電子書籍の刊行契約は，本文の音声読み上げまでをカバーしておらず，本文を読み上げる刊行形態は，録音図書（オーディオブック）として別に存在している」として、「出版業界に対する重大な挑戦である」との声明を発表し、Kindle の読み上げ機能が著作権侵害を引き起こすとの見解を示しました。このため、Amazon は作品ごとに、読み上げ機能の利用できるかどうか、著作権者が決定できるシステムを導入したのですが、ランダムハウス社がこのシステムを使って、上記の作品などで読み上げ機能を使用不可にした模様。

Kindle2 の発表には キングも登場し、Kindle 独占配信の新作 UR をリリース するなど、キング自身は Kindle のような新しい出版形態には前向きなんですが、Random House は、マーベル・コミックスが The Stand をグラフィックノベル化することを、そのコレクション集（ハードカバー）のコミックショップ以外での販売を禁止する条件付で認める など、ときどき著作権に厳しいところを見せますね。（一方で、ニューヨークタイムズ紙が報じるところによると、Random House社、Penguin社など、世界を代表する大手出版社のいくつかは、ダウンロードしたオーディオブックに付されているコピー防止用のソフトを、廃止していく方針だ と伝えられるなど、著作物の利用時の利便性を高める取り組みも行っているようですが）

Pubs start disabling TTS on Kindle books | Electronista
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