2007年12月19日水曜日

「やつらはときどき帰ってくる」と「バトルランナー」は大統領選の必読書

アル・ゴア、ヒラリー・クリントンasahi.com 2007年12月18日の記事より
-「UFOの存在、確認していない」閣議で答弁書を決定-
「地球外から飛来してきたと思われる未確認飛行物体(UFO)の存在を確認していない」――。政府は18日の閣議で、こんな内容の答弁書を決定し た。山根隆治参院議員(民主)が「UFOについての認識」を質問主意書でただしていた。宇宙開発を所管するため、担当した文部科学省は「UFOに関する答 弁書は初めて」と話している。

 山根氏はUFOに関する目撃情報が後を絶たないとして、UFOに関する情報収集や研究、日本に飛来した場合の対応、他国との情報交換について聞いていた。

 これに対し、政府はUFOの存在を確認していないため、情報収集や研究は行っておらず、日本に飛来した場合の対応についても「特段の検討 をしていない」と答弁。目撃情報の分析・確認作業をどこが行うのかについては「情報内容に照らして適切と考えられる関係機関において、必要な情報の整理、 分析、確認作業等を行うこととなる」と述べるにとどまった。

記事にあるように民主山根氏はUFO飛来時の準備ができているのかという質問したんですね。そしてUFOと言えば、New York Timesにもこんな記事がありました。

New York Times:Across the Universe:Planetary Politics(2007年12月16日)の冒頭

Have the worlds of science fiction and presidential politics ever been more closely aligned than they were in 2007? This was the year when Rudolph Giuliani told a young questioner on the campaign trail that “we’ll be prepared” if the United States is attacked by aliens from another planet; when Dennis Kucinich blithely confessed during a Democratic debate that he’d seen a U.F.O.; and when Mitt Romney revealed in an interview that L. Ron Hubbard’s “Battlefield Earth” was one of his favorite novels.

今年2007年ほど大統領選挙とサイエンスフィクションの世界が近づいた年があっただろうか? 今年は、ルドルフ・ジュリアーニは選挙遊説中に「別の惑星から攻撃を受けた時の準備をアメリカは出来ているのか?」と質問を受け、デニス・クシニッチ氏は民主党の討論会で「わたしはUFOを見た事がある」と明かし、ミット・ロムニー氏は、ロン・ハバートの「バトルフィールド・アースは好きな小説だ」と述べた。

アメリカでも今年はUFOが話題になったんですね。記事はこれに続けて、共和党、民主党の各候補者と政界の重要人物にそれぞれこのサイエンスフィクションを読んで勉強したらどうか?と薦めているんですけど、ここで提案されている本の中に、スティーヴン・キングの「やつらはときどき帰ってくる/Sometimes They Come Back」と、リチャード・バックマンの「バトルランナー/The Running Man」が出てきました。
JOHN EDWARDS
Might also consider reading “Sometimes They Come Back,” by Stephen King: The survivor of a vicious assault in which he saw his brother taken down is set upon by the reincarnations of the thugs who originally attacked him.

DENNIS KUCINICH
Might also consider reading “The Running Man,” by Richard Bachman: A desperate participant in a brutal TV contest appears to be the only person who doesn’t realize there’s no way he can win it.
この記事は各候補者ごとに薦める本のタイトルとその簡単なあらすじを載せているだけですが、そうすることで、アメリカ人なら誰でも知っているような各候補者の出自や政策、キャラを紹介するなり軽くおちょくるなりしているんでしょうけど(アル・ゴアには地球の壊滅に関する2冊の本。わたしは地球温暖化懐疑派ではないです)、そこら辺の機微がわたしにはほとんどわからないから、この記事は読みづらい。

The Running Man」は宇宙政策には関係ないですが、あの結末が1982年出版(実際に書かれたのは1972年)の本に書かれているということを知るためにも読んでおいた方がいいでしょうね。『9・11生死を分けた102分 崩壊する超高層ビル内部からの驚くべき証言』によると1981年2月20日にアルゼンチン航空のボーイング707がワールド・トレード・センターに衝突しかけた事があり、このとき耐火構造や消防体制を見直していればビルの倒壊という最悪の事態は避けられただろう、ともあるから、わざわざ小説から学ぶ必要もないですが。しかし、記事ではリチャード・バックマンスティーヴン・キングの偽名だと一言も触れられていないのが気になります。
3・2・1GSX