2008年1月27日日曜日

'Duma Key' finds Stephen King stepping into his own life" -USA TODAY

スティーヴン・キングのインタビュー記事がUSA TODAY で公開された。記事のタイトルは、"'Duma Key' finds Stephen King stepping into his own life"


「郵便受けぐらい大きなツララだね」というのが、「あなたの小説でもっとも恐ろしいシーンは何か?」と尋ねられたときのキングの答え。ただ、これはキングが実 際にあったことを答えたんですね。キングがこの大きなツララを見たのは、コーギー犬のMarloと、氷雨の中、散歩していたときのことで、木からこのつららが、Marlo の近くに落ちてきた。犬に直撃していたら、死んでたかもしれないデカイ氷柱が。で、家に帰ると、妻のタビサに、「いったいなんでこんな所で過ごすんだ」と 話し、これがきっかけで(冬は)フロリダに行くことになった、という話から記事は始まる。


記事は、キングの1999年の事故と、"Duma Key" の主人公、エドガー・フリーマントルの相似(片腕を失うなど、キングよりひどい事故にあう)にふれた後、キングが"Duma Key" を書くきっかけになった出来事の話に移る。

そ れは5年前の事、フロリダでの散歩中、「Caution: Children.子供に注意」の警告(たぶん)を見たとき、突然「手を繋いだ2人の死んだ少女」のイメージが浮かんできた。キング は書き止めはしなかったが、そのイメージはいつまでも消えることなく心の中に居座り続け、"there could be a story here." と常に語りかけてきたらしい。

この2人は、キングがイメージしたそのままでは"Duma Key" に出てこないが、「あのイメージが私をスタートさせたんだ」とキングは語っている。


また、"Duma Key" はフロリダが舞台になったキングの初めての作品だが、キングはフロリダを舞台に書く事をためらったようだ。というのも、「フロリダで育ち、自分よりここの事を良く知っているいい作家がたくさんいるから」、と。だから、"Duma Key" では、主人公のエドガー・フリーマントルを、別の場所(ミネアポリス)からの移住者である、という設定にした。そうすれば、「彼はわたしと同じアウトサイダー」だから。


ここで記事は、"Duma Key" の話から外れて、批評家の話に移る。キングは、"Duma Key" のレビューの多くが好意的であることを認めてこう述べている。「最近では、多くの批評家がわたしの作品を読んで育ってきた。私の書いたものすべてを酷評してきた古い批評家たちの大部分は、もう既に引退したか死んでいる。若いときにわたしの作品を読んだ新しい世代の批評家達は、より共感的な読者のようだ。」


記事は、ジョー・ヒルオーウェン・キングに 「自分達の事をあまり話さないで欲しい」と頼まれているという話、また2003年に受賞したthe National Book Awards にふれたあと、キングの次の本が短編集になるだろうと紹介している。この短編集の話は以前"2008年秋に新しい短編集か?"でも触れたが、タイトルは依然として決定していないようで、キングはこの短編集を、Unnatural Acts of Human Intercourse と呼びたいようです。

しかし、「手を繋いだ2人の少女」とは、"Duma Key" のポスターコンテストの最終選考に残ったMark hammermeister のポスターデザインはピッタリじゃないか。

(2008年2月8日追記)短編集"Unnatural Acts of Intercourse" は、2008年2月6日、スティーヴン・キングのオフィシャルサイトに正式なタイトル"Just Past Sunset" が掲載されました。詳しくは、スティーヴン・キングの新しい短編集"Just Past Sunset" をどうぞ。