2007年11月28日水曜日

「セル」発売

スティーヴン・キングの新作「セル」が、新潮社から今日2007年11月28日発売された。

セルの上巻についている帯には以下の記述がある。

新潮文庫 スティーヴン・キングの絶品短篇集
  • 97万部!スタンド・バイ・ミー 恐怖の四季秋冬編 永遠の名作
  • 48万部!ゴールデンボーイ 恐怖の四季春夏編 映画「ショーシャンクの空に」原作収録
  • 7万部!第四解剖室 O・ヘンリ賞受賞作収録
  • 10万部!幸運の25セント硬貨 全米100万部突破


「スタンド・バイ・ミー」と「ゴールデンボーイ」の売上の差はなんでしょう。

わたしは、この差は、映画「スタンド・バイ・ミー」と「ショーシャンクの空に」の原作者がスティーヴン・キングであることを知らない人がとても多い、ということが一因だと思う。

つまり、「スタンド・バイ・ミー」は、(新潮文庫夏の100冊のような企画でヒラ積みされていることも多い)文庫の表紙とタイトルを見て、映画を好きな人が買っていく機会が多く、一方、「ゴールデンボーイ」は、映画「ショーシャンクの空に」を好きな人でも、「ショーシャンクの空に」の原作「刑務所のリタ・ヘイワース」が収録されていることなど、そうと知らなければ気付きもしないでしょう(たとえ、本棚から抜き出して手にとったとしても)。

ここは太宰治「人間失格」の、最近の成功に学ぶ必要があるんじゃないでしょうか。
「人間失格」の最近の成功というのは、文庫の表紙に人気漫画「デスノート」の漫画家・小畑 健の描いたイラストを載せた途端、売上が3~4倍(追記 半年で13万部以上)になったというもので、ご存知の方も多いと思います。

これにならって、「ゴールデンボーイ」表紙を思い切って、映画「ショーシャンクの空に」の写真(右上)に変えてしまい、文庫本のタイトルも「ショーシャンクの空に」に変えてしまう、というのはどうでしょうか。本屋さんには、「人間失格」バカ売れの話を持ち出して、一定期間ヒラ積みしてもらいましょう。

目指せ、売上4倍!200万部突破!

(「人間失格」の売上4倍も、累計の売り上げが4倍になったわけではないですが、「ショーシャンク」人気は絶大だから)




(追伸)スティーヴン・キング研究序説 ココログ分室:「セル」をめぐる冒険
によると、「ゴールデンボーイ」には、「ショーシャンクの空に」とのタイアップ版はすでにあるとのこと。そうですか…。勉強不足でした。

でもそれなら、なおのこと「ゴールデンボーイ」から「ショーシャンクの空に」に変えたらどうかと言いたいですね。