2010年3月31日水曜日

中編"Blockade Billy"が4月20日発売

Blockade Billy published by Cemetary Dance Publications teaser image from Stephenking.com


Blockade Billy teaser image from Stephenking.com

スティーヴン・キングの新しい中編"Blockade Billy"が4月20日に Cemetary Dance Publications から出版されます。また豪華装丁版が Lonely Road Books から発売される予定です。この中編は今年刊行予定の新しい中編集"Full Dark, No Stars"には収録されないので注意してください。


"Blockade Billy" のあらまし
熱心な野球ファンにも"ブロックエイド・ビリー"(ウィリアム・ブレイクリー)の真実の物語について知る者はいない。最も偉大な野球選手だったかもしれないビリーについて、今では名前さえ覚えられていない。彼は、その存在が記録から完全に消しさられた最初の、そして唯一の選手である。彼の所属したチームも長いあいだ忘れ去られ、かろうじて脚注にその名が見られるのみである。

ウィリアム・ブレイクリーがプロ野球でプレーしたことを示す記録を消すためにあらゆる努力が行われた。そうした行為が行われたのには十分な理由があった。ブロックエイド・ビリーには、現在ならスキャンダルになりかねないドーピングなどよりも暗い秘密があったのだ。彼の秘密はもっと悪いものだった。

現代最高の作家の一人、スティーヴン・キングがその真実を明らかにする。



"Blockade Billy"についてキングのコメント
わたしは古い時代の野球と、生涯をスポーツに捧げた選手たちがその競技について語るのを聞くのがとても好きです。これらを緊張感のあるストーリーに盛り込もうと挑戦した。もう何年も「いつ野球を題材にした小説を書くのか」と質問されてきたが、それももうおしまいにしたい。この小説がそうだ。



"Blockade Billy"とは(通常版ハードカバーのおまけの野球カード裏面に掲載されていると思われる文章から)
本名ウィリアム・ブレイクリー。1937年9月21日生まれ。ニュージャージー・タイタンズの捕手。右投げ右打ち。1957年シーズン開幕日の直前、チームのベテラン捕手 2人が離脱したことから開幕戦でデビューし、すぐにメジャーリーグの歴史上もっとも優れたルーキーかもしれないことが誰の目にも明らかになった。1ヶ月も立たないうちにあらゆる新人記録を塗り替えるペースで活躍し始めたのだ。ホームランを量産し、赤い布を目にした牛のように猛然とベースを駆け抜けた。しかしバットよりも優れた活躍を守備でも見せる。ホームゲームでは"Road Closed by order of Blockade Billy"のサインボードが掲げられ、アメリカ中がブロックエイド・ビリーの伝説を見守っている。間違いなく記録ずくめになるシーズン終了がまちきれない。



書籍データ
著者: スティーヴン・キング
表紙絵: Glen Orbik(グレン・オービック、The Colorado Kid ペーパーバック版のイラストレーター
挿絵: Alex Mcvey(公式サイト
ISBN: 978-1-58767-228-6
発売日: 2010年4月20日
定価: 25ドル
表紙・裏表紙の画像

通常版ハードカバーを出版するセメタリーダンス・パブリケーションズは、「刷り上がった本は、まず自社サイトを通じて予約してくれた方に発送し、その後で提供可能な分があれば、書店やオンライン書店などにも提供する」「必ず手に入れたいなら、直接このサイトで予約して欲しい」としています。


以上は通常版の情報です。キングの?サイン入り豪華装丁版については、今年夏に刊行予定であるということ以外の発表はまだありません。サイン版の購入を検討している場合は、Lonely Road Books のサイトから、メーリングリストやツイッター、フェイスブックに登録しておくと、詳細が決まり次第、案内があるとのこと。

----------------------------


キングは47年の9月21日生まれですが、ブロックエイド・ビリーの誕生日が同じなのは意味があるのですかね。あと、打撃よりもさらにキャッチャーとして優れていて、おそらく、ホームに走り込んでくる敵チームの選手の生還を絶対に許さないプレーに「強権的な、例えば軍事力を使った封鎖」という意味でも使われるブロックエイド(Blockade)の愛称がついたんでしょう。また、ビリーを見に来る観客の多さに交通がマヒし道路が封鎖される現象も起きたということかと思います(余談ですが、1957年頃のアメリカの年間自動車生産台数は600万台ぐらいあったというグラフに驚きました)。


個人的には、古い時代を舞台に、暗い秘密があってプロ野球にいれなかった極めて優れた選手を巡る(また現代に生きる、当時を知る人物が昔を思い出して語る)ストーリーといえば、X ファイル・シーズン6第19話「アンナチュラル」が思い出される(ストーリーがかなり似ているかもしれないので閲覧注意)。


というわけで面白い作品であることを期待します。

関連リンク:
Blockade Billy 通常版ハードカバーの予約ページ - Cemetery Dance Publications
CDP の特設ページ
StephenKing.com 内のプロモページ

0 件のコメント: